舎弟たちの世界史
新刊

韓国でロングセラー。渾身の本格長篇、待望の邦訳!

韓国文学セレクション

舎弟たちの世界史

  • イ・ギホ/著
  • 小西 直子/訳
  • 四六判上製
  • 344頁
  • 2200円+税
  • ISBN 978-4-7877-2023-8
  • 2020.08.00発行
  • [ 在庫あり ]
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紹介文

「聞いてくれたまえ。これは、全斗煥将軍が国を統べていた時代の話だ」

ノワール映画の我らが主人公[独裁者]と、その兄に怯える〈舎弟たち〉——。
時代の狂気のなかで破壊されたタクシー運転手ナ・ボンマンの人生を、軽妙洒脱、ユーモラスな文体で、悲喜劇的に描ききった話題作。

1980年に全斗煥が大統領に就任すると、大々的なアカ狩りが開始され、でっち上げによる逮捕も数多く発生した。
そんな時代のなか、身に覚えのない国家保安法がらみの事件に巻き込まれたタクシー運転手ナ・ボンマンは、政治犯に仕立て上げられてしまい、小さな夢も人生もめちゃくちゃになっていく。
軍事政権下における「国家と個人」「罪と罰」という重たいテーマを扱いつつも、スピード感ある絶妙な語り口、人間に対する深い洞察、魅力的なキャラクター設定で、不条理な時代に翻弄される平凡な一市民の人生を描いた悲喜劇的な秀作。

〈イ・ギホの小説は、大いに笑わせてくれるが、そのぶん心を痛めさせられる。喜劇さえもがすでに悲劇の一部なのだ。読みやすく一気に読み進められるが、読後にはなかなか本を閉じることができない、深い傷を負った人間の哀しいジョークのような小説だ。〉——申亨澈(「解説」より)

目次

第I部
第II部
第III部

作家のことば
解説……申亨澈
訳者あとがき

出版社からのコメント

短篇集『誰にでも親切な教会のお兄さんカン・ミノ』(斎藤真理子訳、亜紀書房)で話題をさらったイ・ギホ。
執筆に5年を費やした著者渾身の傑作長篇、ついに日本上陸!

韓国を代表するストーリーテラーが、ソン・ガンホ主演で話題となった映画『弁護人』と同じく、軍事政権下の80年代初頭に実際にあった国家治安法違反の冤罪事件を題材とし、極上のエンターテインメント小説に昇華させて描ききった超大作!

著者紹介

イ・ギホ(李起昊/이기호/LEE Ki-ho)

1972年、江原道原州市生まれ。
小説家、光州大学文芸創作学科教授。
1999年、短編「バニー」が文学誌『現代文学』に掲載され、文壇デビュー。
2010年に李孝石文学賞、2013年に金承鈺文学賞、2014年に韓国日報文学賞、2017年に黄順元文学賞を受賞。
邦訳書に、『誰にでも親切な教会のお兄さんカン・ミノ』(斎藤真理子訳、亜紀書房)、『原州通信』(清水知佐子訳、クオン)。

小西 直子(コニシ・ナオコ)

日韓通訳・翻訳者。
静岡県生まれ。立教大学文学部卒業。
80年代中頃より独学で韓国語を学び、1994年、延世大学韓国語学堂に語学留学。以後、韓国在住。
高麗大学教育大学院日本語教育科修了、韓国外国語大学通訳翻訳大学院韓日科修士課程卒業(通訳翻訳学修士)。
現在は韓国で通訳・翻訳業に従事。
訳書に、イ・ドゥオン『あの子はもういない』(文藝春秋)、キム・ジュンヒョク『ゾンビたち』(論創社)、金学俊『独島研究』(共訳、論創社)。

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