近刊
琉球独自の先史文化
琉球の貝塚文化
貝塚人のくらしと海を越えた交流
- A5判
- 264頁
- 3000円+税
- ISBN 978-4-7877-2509-7
- 2026.02.25発行
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紹介文
はじまりは約1万年前の奄美・沖縄。
貝塚人は、島々をとり囲むサンゴ礁の豊かな「ウミサチ」を活発に利用し、およそ9000年にわたり狩猟採集社会を維持し、多くの骨貝製品を残した。南海産大型巻貝は弥生文化の貝製腕輪の素材として好まれ、膨大な数の貝が本土に運ばれた。
「くらし」と「交流」を軸に、縄文・弥生文化とは異なる、もう一つの先史文化の足跡をたどる。
目次
プロローグ――貝塚文化とはなにか
第1章 貝塚文化のアウトライン
1 琉球貝塚文化の視点
2 貝塚文化をとりまく環境
3 サンゴ礁が育んだ貝塚
4「貝塚人」のなりたち
5 貝塚文化のタイムライン
第2章 貝塚文化研究のあゆみと視点
1 貝塚文化研究の嚆矢
2 米軍統治下での学術研究
3 貝塚時代の編年と研究の進展
第3章 貝塚文化の成立と展開
1 貝塚文化前史――琉球の旧石器文化
2 貝塚時代の幕あけ
3 貝塚文化の隆盛
4 貝塚人のくらし
5 葬墓制と貝塚人のコスモロジー
6 奄美群島・先島諸島の文化的特色
第4章 海を越えた交流
1 琉球のアウトバウンド・コネクション
2 琉球の域内サプライ・チェーン
3 弥生貝交易の時代
4 古代ヤコウガイ交易
第5章 貝塚文化の終焉
1 拡張する中世世界
2 変容する文化、継承される文化
エピローグ――島世界の過去・現在・未来
北海道・本州~九州・琉球の時代区分
貝塚文化のおもな遺跡
主要参考文献




出版社からのコメント
「貝塚文化」を表題に掲げた、初の概説書です。
貝塚文化とは、今から約1万年前から9000年間つづいた、奄美・沖縄の狩猟採集文化をいいます。縄文文化にふくめて扱われることも多い貝塚文化ですが、本書では、貝塚、土器や骨貝製品、住居址などを丹念に分析し、本土の縄文・弥生文化とは異なる琉球独自の文化であることを示しています。
また、南海産大型巻貝が弥生文化の貝製腕輪(貝輪)の素材として好まれ、膨大な数の貝が本土に運ばれたことはよく知られていますが、どこから、どういうルートで、誰によって運ばれたものであるかを考察し、「弥生貝交易」の特質を指摘している点も、本書の大きな特徴です。
こうした貝塚人のくらしと、南海産大型巻貝をめぐる九州弥生人との交流にフォーカスして、貝塚文化とはどのような文化であったのか、考古学的に迫ります。