古代東アジア外交の玄関口 鴻臚館
近刊

唐や新羅が台頭する激動の東アジアに対する倭国の外交が見えてくる

シリーズ「遺跡を学ぶ」172

古代東アジア外交の玄関口 鴻臚館

  • 菅波 正人/著
  • A5判
  • 96頁
  • 1700円+税
  • ISBN 978-4-7877-2532-5
  • 2025.08.14発行

紹介文

古代、新羅や唐からの外交使節の客館として、日本から派遣する遣新羅使や遣唐使の風待ちの場として文献に登場する鴻臚館。その遺構が一九八七年、福岡城跡の平和台球場でみつかった。重層的な遺構の変遷と、中国陶磁器やイスラム陶器などの出土遺物から、その役割と東アジア外交の変容を追究する。

目次

第1章 「幻の鴻臚館」発見
1 幻の鴻臚館
2 鴻臚館の発見

第2章 外交の最前線・筑紫
1 筑紫大郡の登場
2 筑紫館の登場

第3章 姿をあらわした鴻臚館
1 鴻臚館の時期区分
2 筑紫館の成立:第Ⅰ期(7世紀後半~8世紀前半)
3 筑紫館の整備:第Ⅱ期(8世紀前半~末)
4 鴻臚館の登場:第Ⅲ期(9世紀初頭~後半)
5 唐物交易の場:第Ⅳ期(9世紀後半~10世紀前半)
6 鴻臚館の廃絶:第Ⅴ期(10世紀後半~11世紀前半)
7 鴻臚館の食料供給

第4章 鴻臚館と古代の外交
1 筑紫館の新羅外交
2 唐物交易の時代
3 鴻臚館から博多へ

第5章 アジアの交流拠点・福岡の原点

著者紹介

菅波 正人(スガナミ・マサト)

1965年山口県生まれ
山口大学人文学部人文学科考古学研究室卒業
福岡市経済観光文化局埋蔵文化財課主任文化財主事
主要著作 「鴻臚館の成立と変遷」『大宰府の研究』(高志書院)、「考古学からみた古代から中世の唐物交易の変遷」『「唐物」とは何か 舶載品をめぐる文化形成と交流 アジア遊学275』勉誠出版、「鴻臚館と交易」『古代史講義【海外交流篇】』ちくま新書ほか

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