迷走する資本主義

迷走する資本主義

ポスト産業社会についての3つのレッスン

  • ダニエル・コーエン/著
  • 林 昌宏/訳
  • 四六判上製
  • 160頁
  • 1800円+税
  • ISBN 978-4-7877-0818-2
  • 2009発行
  • [ 在庫あり ]
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紹介文

情報技術(IT)革命、金融革命、雇用・労働形態の変革、グローバリゼーション…。規制緩和、自由化のもとに推し進められた凄まじい大変動がもたらした社会的連帯の崩壊、格差拡大、そしてその先に発生した世界的な金融危機。気鋭のフランス人経済学者が、ヨーロッパの社会思想史の源流にさかのぼり、資本主義システムの病理の背景を平易に解説し、新たな社会モデルを考察する。

■「ル・モンド」紙論説委員を務める気鋭の経済学者が、資本主義システムの病理を平易に解説し、オルタナティブな社会の未来像を提示する。西欧の社会思想史の源流から辿る斬新な分析は、日本の読者に多大な示唆を与える内容である。

目次

序章 ポスト産業社会とは何か
   社会的連帯の終焉/サービス社会/情報化社会/ポスト産業「社会」

レッスン1 急変の時代
   社会条件の凄まじい大変動/情報技術(IT)革命/社会革命/労働に要求される新たな原則/フォーディズムの矛盾/1969年5月/金融革命/むすび

レッスン2 新たな経済と世界ーグローバリゼーション
   国際貿易と貧困国/第一次グローバリゼーション/国際分業体制への回帰/ニュー・エコノミーと世界/グローバル化というイメージがグローバル化する/世界の争点となる問題とは/むすび

レッスン3 新たな社会モデルの模索
   新たな社会保障モデルと連帯の模索/ヨーロッパの混迷(1)/ニュー・エコノミーの矛盾/無料と有料/米国の大学の競争力/ヨーロッパの混迷(2)/福祉モデルの相違/折衷案/社会的連帯についての異なる立場/都市部郊外での暴動/むすび

終章 社会の自由主義化
   新たな社会問題/選択的組み合わせ/「社会」と「経済」の分離/放

著者紹介

ダニエル・コーエン(Daniel Cohen)

1953年生まれ。パリ高等師範学校(エコール・ノルマル・シュペリウール)経済学部教授。数理経済計画予測センター(CEPREMAP)所長、「ル・モンド」社外論説委員を務める。

林 昌宏(ハヤシ・マサヒロ)

1965年、愛知県生まれ。翻訳家。立命館大学経済学部経済学科卒業。訳書:『アンデルセン、福祉を語る』(イエスタ・エスピン=アンデルセン、NTT出版)、『21世紀の歴史』(ジャック・アタリ、作品社)、『アタリ文明論講義』(ちくま学芸文庫)、『迷走する資本主義』(ダニエル・コーエン、新泉社)、『経済と人類の1万年史から、21世紀世界を考える』(ダニエル・コーエン、作品社)、『ユートピアの崩壊 ナウル共和国』(リュック・フォリエ、新泉社)、『繁栄の呪縛を超えて』(ジャン=ポール・フィトゥシ他、新泉社)、『父の逸脱――ピアノレッスンという拷問』(セリーヌ・ラファエル、新泉社)、『憎むのでもなく、許すのでもなく』(ボリス・シリュルニク、吉田書店)、『心のレジリエンス』(同前)など多数。

関連書籍

  • 繁栄の呪縛を超えてFTP
  • ユートピアの崩壊 ナウル共和国FTP
  • アイスランドからの警鐘FTP
  • 貧困の基本形態FTP