善とは何か
近刊

わかりやすい解説を具えた現代口語訳で、“日本最初の哲学書”の第三編「善」が読める!

善とは何か

西田幾多郎『善の研究』講義

  • 大熊 玄/著
  • 四六判
  • 400頁
  • 2700円+税
  • ISBN 978-4-7877-2005-4
  • 2020.04.05発行
  • 書店サイトへ

紹介文

刊行から100年以上が経ちながら、今なお高い人気をほこる『善の研究』。その中のまさに「善」について書かれた第三編を、講義形式で綴る。なんとなく哲学に興味のある人から、前に『善の研究』を読もうとして挫折した人、自分の生き方を根本から考えたい人まで、哲学の予備知識なしで読み進められる!

私たちはどう生きるべきか。不安を抱えるこの時代の、考える礎に。

『善の研究』を読むということは、まさに日本語で「哲学する」ことが始まったプロセスを追体験できるという点で重要です。もし、あなたが、日本語で考え、話す人であれば、なおさら重要です。『善の研究』が世に出てからもう百年以上が経っていますが、それでも「哲学」への入門書として選ばれるのは、そんな理由があると思います。(「講義を始めるにあたって」より)

「繙く」とは、このことだ。「善」が見える、「西田」を感じる。
―― 松岡正剛氏 推薦!

目次

※〔 〕内は、原書・西田幾多郎著『善の研究』の章タイトル

はじめに
講義を始めるにあたって
第一章 人間の行為を、心理学的に、意識現象(とくに意志)として考えてみる 〔行為 上〕
第二章 人間の行為(≒意志)は、科学的だけでなく、哲学的にも考えるべきだ 〔行為 下〕
第三章 意志の自由とは、選択できることではなく、自己の内から必然的に出てくること 〔意志の自由〕
第四章 実在は、理論的にだけでなく、価値的に考えてこそ、真に理解できる 〔価値的研究〕
第五章 直覚説 ―「善は、そのまま明らかにパッとわかるものだ」? 〔倫理学の諸説 その一〕
第六章 権威説 ―「善は、とにかくエライものに従っていることだ」? 〔倫理学の諸説 その二〕
第七章 合理説(主知説) ―「善は、知的に理屈で判断できるものだ」? 〔倫理学の諸説 その三〕
第八章 快楽説(功利主義) ―「善は、幸福度や快楽量で測れるものだ」? 〔倫理学の諸説 その四〕
第九章 活動説(主意説) ―「善は、自己(意志)が現実化・完成することだ」! 〔善(活動説)〕
第十章 統一する力としての「人格」や「理想」という視点から、善を考える 〔人格的善〕
第十一章 善い行為は、いかなる動機でされるのか(その内的な仕組み) 〔善行為の動機(善の形式)〕
第十二章 善い行為で、いかなる結果を求めるのか(その具体的な中身) 〔善行為の目的(善の内容)〕
第十三章 どんな境遇や能力の人であっても、完全な善行はできる 〔完全なる善行〕
おわりに

出版社からのコメント

難解といわれる西田幾多郎の『善の研究』。本書を読むことで内容を理解してもらえたらと思います。

著者紹介

大熊 玄(オオクマ・ゲン)

1972年、千葉生まれ、新潟育ち。立命館大学史学科(東洋史学専攻)卒業、金沢大学大学院文学研究科修士課程(比較思想研究室・インド哲学)修了、同大学院社会環境科学研究科(博士後期)満期退学。専門は東洋思想・日本哲学(西田幾多郎、鈴木大拙)。1999年から約1年半のインド・プネー大学への留学より帰国後、石川県西田幾多郎記念哲学館の開館準備に携わる。金沢大学非常勤講師、石川県西田幾多郎記念哲学館専門員・学芸課長を経て、現在、同館副館長、立教大学文学部・大学院21世紀社会デザイン研究科准教授。著書『鈴木大拙の言葉 世界人としての日本人』(朝文社)、『鈴木大拙/大拙の言葉』(金沢市国際文化課)、『はじめての大拙―鈴木大拙 自然のままに生きていく一〇八の言葉』(ディスカバー・トゥエンティワン)。共著『鈴木大拙と日本文化』(朝文社)。編著書『西田幾多郎の世界』(石川県西田幾多郎記念哲学館)。