虚構の森
新刊

異論から考える環境問題!

虚構の森

  • 田中 淳夫/著
  • 四六判
  • 264頁
  • 2000円+税
  • ISBN 978-4-7877-2119-8
  • 2021.11.30発行
  • [ 在庫あり ]
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紹介文

SDGsが大流行の昨今。環境問題の大切さはよくわかっていても、「地球温暖化とCO2排出量は関係ない」「いやある!」、「緑のダムがあれば洪水や山崩れは防げる」「いや防げない!」などなど、環境問題に関しては異論だらけで、果たして何が正解かわかりません。さらに地球環境を巡ってはさまざまな“常識”も繰り広げられています。しかし、それをそのまま信じてもいいのでしょうか? 本書は、そうした思い込みに対して、もう一度一つ一つ検証を試みました。「森の常識」を元につくられた〝環境問題の世論″に異論を申し立て、不都合な真実を突きつけた一冊です。

目次

はじめに ――森を巡る情報の「罠」
第1章 虚構のカーボンニュートラル
1.地球上の森林面積は減少している?
2.アマゾンは酸素を出す「地球の肺」?
3.間伐した森は「吸収源」になる?
4.森林を増やせば気候変動は防げる?
5.老木は生長しないから伐るべき?
6.温暖化によって島国は水没する?
7.砂漠に木を植えて森をつくろう?

第2章 間違いだらけの森と水と土
1.「緑のダム」があると渇水しない?
2.「緑のダム」があると洪水は起きない?
3.木の根のおかげで山は崩れにくい?
4.森は降雨から土壌を守ってくれる?
5.黄砂は昔から親しまれる気象現象?
6.植物もパンデミックに襲われる?

第3章 日本の森を巡る幻想
1.マツタケが採れないのは、森が荒れたから?
2.古墳と神社の森は昔から手つかず?
3.日本の「本物の植生」は照葉樹林?
4.日本の森は開発が進み劣化した?
5.植林を始めたのは江戸時代から?
6.生物多様性は安定した環境で高まる?
7.草原は森より生物多様性は低い?

第4章 フェイクに化ける里山の自然
1.ソメイヨシノにサクランボは実るか?
2.外来草花が日本の自然を浸食する?
3.堤防に咲く花は、遺伝子組み換え植物?
4.街路樹は都会のオアシスになる?
5.ミツバチの価値はハチミツにあり?
6.外来生物は在来種を駆逐する?

第5章 花粉症の不都合な真実
1.造林したからスギ花粉は増えた?
2.枯れる前のスギは花粉を多く飛ばす?
3.スギを減らせば花粉も減る?
4.舗装を剥がせば花粉症は治まる?
5.花粉症はスギがもたらす日本だけの病?
6.マイクロプラスチックは花粉症より危険?

第6章 SDGsの裏に潜む危うさ
1.桜樹は日本人の心だから保護すべし?
2.和紙も漆も自然に優しい伝統工芸?
3.木材を使わない石の紙は環境に優しい?
4.再生可能エネルギーこそ地球を救う?
5.パーム油が熱帯雨林を破壊する?
6.農薬や除草剤は人にも環境にも危険?
7.人口爆発のため食料危機になる?

終わりに――行列の後ろを見るために

主な参考文献(順不同)

出版社からのコメント

森林ジャーナリスト田中淳夫が、地球環境問題に関する常識や思い込みに異論を申し立てるべく書き上げた一冊です。
環境問題なんて「自分には関係ない」と考えていた私たちが直面したのが、新型コロナ感染症のパンデミックでした。もう「関係ない」とは言っていられないほど、地球環境の悪化は深刻です。現在、世界中の科学者たちが必死に地球環境について予測し、警告を発しています。信じたくない予測が多いですが、全体としては想定どおりに危機が進行しています。自分にとって不都合な事態であり「信じたくない未来」であっても、未来を生きる若い世代のためにこそ、いま考えるべき問題なのです。SDGsの落とし穴のはまらないためにも、森林環境の情報リテラシーを磨きましょう!

著者紹介

田中 淳夫(タナカ・アツオ)

1959年大阪生まれ。静岡大学農学部を卒業後、出版社、新聞社等を経て、フリーの森林ジャーナリストに。森と人の関係をテーマに執筆活動を続けている。主な著作に『虚構の森』『絶望の林業』『森は怪しいワンダーランド』(新泉社)、『獣害列島 増えすぎた日本の野生動物たち』 (イースト新書)、『森林異変』『森と日本人の1500年』(平凡社新書)、『樹木葬という選択』『鹿と日本人―野生との共生1000年の知恵』(築地書館)、『ゴルフ場に自然はあるか? つくられた「里山」の真実』(ごきげんビジネス出版・電子書籍)ほか多数。

関連書籍

  • 絶望の林業
  • 森は怪しいワンダーランドFTP
  • 誰のための熱帯林保全か