団地へのまなざし

団地をめぐる現在の論点がわかる

団地へのまなざし

ローカル・ネットワークの構築に向けて

  • 岡村 圭子/著
  • 四六判上製
  • 296頁
  • 2700円+税
  • ISBN 978-4-7877-1926-3
  • 2020.01.15発行
  • [ 在庫あり ]

書評・紹介

紹介文

戦後、高度経済成長の歩みとともにあった「団地」は、時代の象徴的存在のひとつであった。団地は私たちの社会の歩みの記録であり、現在の問題を映し出す鏡であり、未来を見通す羅針盤でもある。

目次

序 章 団地への視角
1 高度経済成長の文化遺産としての「団地」
2 日常の記憶を記録する
3 草加松原団地の概要
4 団地の研究史
5 本書の構成

第1章 団地へのまなざし―描かれた羨望、忌避、偏愛
1 文化論からみる「団地」
2 記号としての団地―二つの閉鎖性
3 団地へのまなざしと近代の欲望―羨望・忌避・偏愛
4 二つの閉鎖性とイメージの変容
5 おしゃれな団地ライフ―生活の場としての団地、再び

第2章 ローカルな記憶の記録
1 日常を記録するということ
2 さようなら、松原団地駅
3 水害についての私的記録

第3章 団地のローカル・ネットワーク
1 災害時におけるローカル情報と情報格差
2 ローカルな領域としての団地
3 東日本大震災後の情報伝達と相互扶助
4 団地のローカルネットワークと情報弱者
5 「私たちの場所」の情報

第4章 松原団地の相互扶助的な関係
1 一三号棟の交流会
2 松原団地見守りネットワーク
3 野ばら会
4 第三の場所と共助社会を可能にするもの

終 章 団地をめぐる現代の問題―ネットワークから考える
1 団地と孤独死
2 国際化のなかの団地
3 地域の結節点としての団地
4 人間関係という資本
5 団地研究から見えてくること

あとがき
参考文献

出版社からのコメント

団地をめぐるいままでの言説や映画、社会学論考から、現在抱えている問題など団地のいまがよくわかります。

著者紹介

岡村 圭子(オカムラ・ケイコ)

1974年、東京生まれ
中央大学大学院文学研究科博士後期課程修了 博士(社会情報学)
獨協大学国際教養学部教授
専門 社会学(異文化間コミュニケーション)、社会情報学(ローカル・メディア)
主な著作 『グローバル社会の異文化論─記号の流れと文化単位』(世界思想社、2003年)、『ローカル・メディアと都市文化─『地域雑誌 谷中・根津・千駄木』から考える』(ミネルヴァ書房、2011年)ほか