阿賀の記憶、阿賀からの語り

阿賀の記憶、阿賀からの語り

語り部たちの新潟水俣病

  • 関礼子ゼミナール/編
  • 関 礼子/編
  • 四六判上製
  • 248頁
  • 2000円+税
  • ISBN 978-4-7877-1610-1
  • 2016.12.20発行
  • [ 在庫あり ]
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書評・紹介

紹介文

新潟水俣病は終わっていない――。新潟水俣病の公式発表から50余年。 沈黙の時間を経て、新たに浮かび上がってくる被害の声がある。 黙して一生を終えた人もいる。 語られなかったことが語られるには、時が熟さねばならない。次の世代に被害の相貌を伝える活動を続けている 8人の語り部さんの証言集。

目次

1 人から受けた恩は石に刻んでおけ、人に尽くしたことは水に流せ―語り部・小武節子さん
2 次世代に語り継ぐことが使命である―語り部・近四喜男さん
3 すべての被害者が救われるまで―語り部・山崎昭正さん
4 自分と同じように「わからない」人のために―語り部・山田サチ子さん
5 一〇〇人いれば一〇〇通り、一〇〇〇人いれば一〇〇〇通り―語り部・小町ゆみ子さん
6 渡船場で差別を聞いてきた―語り部・立川小三郎さん
7 「正しく」理解して行動する子どもに―語り部・稲垣シズヱさん
8 しびれが出た頃からの爪はとってある―語り部・曽我浩さん

著者紹介

関礼子ゼミナール(セキレイコゼミナール)

関 礼子(セキ・レイコ)

1966年、北海道生まれ。立教大学社会学部教授。専門は環境社会学、地域環境論。
阿賀野川の新潟水俣病問題をフィールドワークした著作に、『新潟水俣病をめぐる制度・表象・地域』(東信堂、2003年)、『新潟水俣病問題――加害と被害の社会学』(共著、東信堂、1999年、新版2006年)、『水俣学講義 5』(共著、日本評論社、2012年)、『阿賀の記憶、阿賀からの語り――語り部たちの新潟水俣病』(関礼子ゼミナール編、新泉社、2016年)など。
福島県檜枝岐村の民俗誌編纂にかかわり、村人の暮らしとサンショウウオ漁に魅せられる(共著『なぜ環境保全はうまくいかないのか』新泉社、2013年)。
福島原発事故の避難問題を調査した著作に、『“生きる”時間のパラダイム――被災現地から描く原発事故後の世界』(編著、日本評論社、2015年)、『鳥栖のつむぎ――もうひとつの震災ユートピア』(共編著、新泉社、2014年)、『被災と避難の社会学』(編著、東信堂、2018年)など。
ほかの著作に、『環境の社会学』(共著、有斐閣、2009年)、『沖縄列島――シマの自然と伝統のゆくえ』(共著、東京大学出版会、2004年)など。

関連書籍

  • 鳥栖のつむぎFTP
  • 原点としての水俣病FTP
  • 公害に第三者はないFTP
  • 加害者からの出発FTP
  • マーシャル諸島 終わりなき核被害を生きるFTP
  • 燃える森に生きるFTP