房総の縄文大貝塚・西広貝塚

シリーズ「遺跡を学ぶ」80

房総の縄文大貝塚・西広貝塚

  • 忍澤 成視/著
  • A5判
  • 96頁
  • 1500円+税
  • ISBN 978-4-7877-1050-5
  • 2011発行
  • [ 在庫あり ]
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紹介文

貝塚は縄文時代の生活を明らかにする宝庫。西広(さいひろ)貝塚では直径一五〇メートルの環状貝塚を全掘し、採集されたすべての貝層を丸洗いして、そこに含まれている遺物すべてを調べあげた。この前代未聞の作業から縄文人の暮らしぶりがありありとみえてくる。

目次

第1章 縄文大貝塚を掘りつくす
1 背丈を超える貝層
2 発掘のはじまり
3 全面発掘へ

第2章 貝塚を丸洗いする
1 二つの分析方法
2 人海戦術と眼力の賜
3 動物遺存体と動物考古学

第3章 貝と骨、角の世界
1 どんな貝、魚・獣を食べていたのか
2 さまざまな道具類
3 多彩な骨角製装身具
4 南房総産の貝製装身具

第4章 大貝塚をもつムラの謎
1 西広ムラのはじまりと終わり
2 まつりの遺物、まつりの行為
3 石器、土器はどこから
4 南の島からやってきた貝
5 人骨は語る
6 深まる謎

第5章 西広貝塚は永遠に
1 護れなかった遺跡、遺された調査成果
2 調査研究成果の活用

著者紹介

忍澤 成視(オシザワ・ナルミ)

1962年千葉県生まれ
早稲田大学大学院文学研究科史学・考古学専攻修士課程修了 博士(文学)
市原市教育委員会文化財課チバニアン整備推進係副主査(再任用)
〈2024年4月より〉
千葉市教育委員会埋蔵文化財調査センター主任研究員,東京大学大気海洋研究所特任研究員,早稲田大学文学学術院非常勤講師
日本考古学,おもに生物学的視点から貝を素材とした装飾品類を研究。縄文から古墳時代まで続く「日本列島最長の威信財」とされるオオツタノハ製貝輪(腕輪)の謎を解明するため,列島各所の島嶼部を20年以上にわたって単独調査。2021年,第46回「藤森栄一賞」受賞。2023年,NHK-BSP「英雄たちの選択 海の縄文人」に出演。著書に『貝の考古学』(ものが語る歴史22,同成社,2011年)、『房総の縄文大貝塚 西広貝塚』(シリーズ「遺跡を学ぶ」80,新泉社,2011年)、『貝輪の考古学』(新泉社、2024年)などがある

関連書籍

  • 貝輪の考古学