北の縄文人の祭儀場・キウス周堤墓群

シリーズ「遺跡を学ぶ」74

北の縄文人の祭儀場・キウス周堤墓群

  • 大谷 敏三/著
  • A5判
  • 96頁
  • 1500円+税
  • ISBN 978-4-7877-1044-4
  • 2010発行
  • [ 在庫あり ]
  • 書店サイトへ

紹介文

北海道の空の玄関口、新千歳空港にほど近い石狩低地帯南部の落葉広葉樹林のなか、直径数十メートルにおよぶ巨大な竪穴を掘り、その排土を周囲に盛って環状の土手でかこんだ縄文後期の墓地がいまも地上に姿をとどめている。この大土木工事から北の縄文社会をさぐる。

目次

第1章 キウス周堤墓とは
1 国道脇の不思議な土手
2 国内最大級の縄文の墓

第2章 キウス周堤墓の“発見”
1 アイヌのチャシ説
2 縄文時代のものとの認識へ
3 ぞくぞくみつかる周堤墓
4 明らかになったキウス周堤墓

第3章 周堤墓への道
1 北東北の環状列石
2 北海道の環状列石
3 群集墓から周堤墓へ
4 周堤墓と副葬品

第4章 周堤墓をつくった集落
1 キウス川のほとりにて
2 周堤墓をもつ集落の誕生
3 周堤墓の変遷
4 周堤墓を生みだした社会
5 葬祭複合施設としての周堤墓

第5章 周堤墓の終焉
1 積石墓・墳丘墓の出現
2 朱塗りの櫛の土壙墓
3 他界観の変化

著者紹介

大谷 敏三(オオタニ・トシゾウ)

1949年、北海道生まれ。駒澤大学文学部歴史学科卒業。
千歳市教育委員会、千歳市勤務を経て、2010年3月退職。元千歳市埋蔵文化財センター長。
主な著作 「環状土籬」『縄文時代の研究9 縄文人の精神文化』雄山閣出版、「謎の巨大環状遺構 キウス環状土籬と大湯環状列石」『原像日本・ 発掘と復元遺跡に浮かぶ古代風景』旺文社、「千歳市中央出土の石棒と石棒から見る縄文の墓制」『加藤晋平先生喜寿記念論文集物質文化論聚』北海道出版企画センターほか