避難と支援
新刊

避難者支援の実践と課題

避難と支援

埼玉県における広域避難者支援のローカルガバナンス

  • 西城戸 誠/著
  • 原田 峻/著
  • 四六判
  • 288頁
  • 2500円+税
  • ISBN 978-4-7877-1904-1
  • 2019.02.25発行
  • [ 在庫あり ]
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書評・紹介

紹介文

長期・広域の避難者が多数発生した東日本大震災と福島原発事故。
避難者を受け入れた地域ではどのような支援が構築されたのか。
避難当事者、自治体、ボランティア、支援団体などによって、数々の実践がなされた埼玉県各地の事例を網羅的に調査・分析し、災害時における避難者受け入れと支援の課題を明らかにする。

目次

序章  東日本大震災・福島原発事故と広域避難

1 本書における問い
2 東日本大震災・福島原発事故後の避難過程
3 避難者受け入れの概要と埼玉県の位置づけ
4 国・福島県による避難者支援政策
5 本書の構成

第1章 広域避難と受け入れコミュニティ——先行研究の検討と本書の分析枠組み・研究方法

1 先行研究の検討と問いの提示
1−1 避難者を対象にした研究
1−2 原発周辺自治体のコミュニティに関する研究
1−3 受け入れ地域の避難者支援に関する研究
1−4 本書の立ち位置
2 分析枠組み
3 調査方法

第2章 緊急避難期(2011年3月)——広域避難者への公的支援と民間支援 ①

1 集団避難に対する「対口支援」と自治体独自の支援の展開
1−1 はじめに
1−2 さいたまスーパーアリーナにおける避難者受け入れ
1−3 埼玉県杉戸町から福島県富岡町への「対口支援」
1−4 埼玉県三郷市から福島県広野町への「対口支援」
1−5 「対口支援」以外の自治体対応——ハードに規定された受け入れ体制
1−6 「対口支援」と災害緊急時の自治体組織の課題
2 さいたまスーパーアリーナにおける避難所支援
2−1 はじめに
2−2 支援組織の展開
2−3 支援の充実度と迅速さ
2−4 浮かび上がった課題
3 小括——緊急期における埼玉県の避難者支援のローカルガバナンス

第3章 避難生活の開始期(2011年4月〜2012年3月)——広域避難者への公的支援と民間支援 ②

1 自治体による避難者の生活支援
1−1 避難者に対する生活支援の始まり
1−2 上下水道料金の減免、広報誌の配布、義捐金の配布
1−3 家電製品の提供
1−4 戸別訪問・見守り事業 ①——越谷市の事例
1−5 戸別訪問・見守り事業 ②——加須市の事例
1−6 交流会の開催支援
1−7 就労斡旋
2 避難者グループの結成過程とその活動
2−1 旧騎西高校における支援活動
2−2 避難者グループの概要
2−3 避難者グループの形成・維持を支える諸条件とその機能
3 広域避難者支援の部分的なネットワーク
4 小括——避難生活の開始期における埼玉県の避難者支援のローカルガバナンス

第4章 避難生活の長期化期(2012年4月〜2017年3月)——広域避難者への公的支援と民間支援 ③

1 避難者支援の自治体対応の変化と自治体の苦悩
1−1 自治体による生活支援の変化
1−2 避難先自治体の苦悩と対応
2 避難者グループの増加と情報誌の刊行
2−1 避難者グループの増加・再編
2−2 避難者向け情報誌の刊行
3 二つの復興支援員事業による広域避難者支援
3−1 復興支援員制度の概要
3−2 埼玉労福協による復興支援員事業の展開と課題
3−3 RCFによる復興支援員事業の展開と課題
3−4 広域避難者に対する二つの復興支援員事業の比較
4 避難者支援のネットワークと浮上した支援の課題
4−1 「福玉会議」「福玉リーダー会議」と『福玉便り春の号外』
4−2 「避難者」の定義と集計に関する問題
4−3 避難者の「ニーズ」に関する問題
4−4 「自主避難者」という問題
4−5 賠償問題
4−6 住宅問題
4−7 組織問題(NPO法人埼玉広域避難者支援センターの設立へ)
5 小括——避難生活の長期化期における埼玉県の避難者支援のローカルガバナンス

第5章 避難生活の超長期化期(2017年4月〜)——広域避難者への公的支援と民間支援 ④

1 広域避難者支援事業と埼玉県の民間団体との関連
2 「福島県県外避難者等への相談・交流・説明会事業」と支援団体
2−1 「県外避難者等への相談・交流・説明会事業」の概要
2−2 埼玉県における「相談・交流・説明会事業」の展開
3 運営から見えてきた「相談・交流・説明会事業」の課題
3−1 支援内容に関する課題
3−2 事業運営上の課題
3−3 運営費に関わる問題
3−4 相談事業受託の派生効果
4 小括——避難生活の超長期化期における埼玉県の避難者支援のローカルガバナンス

第6章 広域避難者支援のローカルガバナンスと社会学

1 広域避難者支援のローカルガバナンス
1−1 埼玉県における広域避難者支援のガバナンスの課題
1−2 広域避難者支援に関わる民間団体の課題
1−3 福玉支援センターの活動の方向性と避難者支援ガバナンスへの提言
2 調査者の立ち位置と、社会調査の意義と課題

著者紹介

西城戸 誠(ニシキド・マコト)







1972年、埼玉県生まれ。
北海道大学大学院文学研究課博士課程修了。博士(行動科学)。
法政大学人間環境学部教授。
専門は環境社会学、地域社会学、社会運動論。
主著:『避難と支援』(共著、新泉社、2019年)、『震災と地域再生』(共編著、法政大学出版局、2016年)、『再生可能エネルギーのリスクとガバナンス』(共編著、ミネルヴァ書房、2015年)、『サミット・プロテスト』(共編著、新泉社、2016年)、『抗いの条件』(人文書院、2008年)。

原田 峻(ハラダ・シュン)







1984年、埼玉県生まれ。
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程満期退学。博士(社会学)。
金城学院大学人間科学部講師。
専門は地域社会学、社会運動論、NPO論。
主著:『避難と支援』(共著、新泉社、2019年)、『原発避難白書』(共著、人文書院、2015年)、『「原発避難」論』(共著、明石書店、2012年)。

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