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メディア2022.02.26

『誰のための熱帯林保全か』の書評が「日本熱帯生態学会ニューズレター」に掲載されました

弊社刊『誰のための熱帯林保全か——現場から考えるこれからの「熱帯林ガバナンス』(笹岡正俊・藤原敬大編)の書評が、「日本熱帯生態学会ニューズレター」No.126(2022.2)に掲載されました。

 

◎佐野洋輔氏評「日本熱帯生態学会ニューズレター」No.126(2022.2)
https://www.jaste.website/_files/ugd/2433ea_cf178a2c20ee4164b1a1e632e24cd644.pdf

〈1980年代は,政府と企業が引き起こす森林破壊と人権侵害を告発する国際NGOの発する情報が正しく,NGOを通じて地域住民を支援したり,そうした企業の製品を買い控えたりすることが善い行いであると考えることができた。しかし現在では,多くの企業が自らの生産・販売する熱帯産品について,環境や地域社会の持続可能性に配慮していることを謳い,一方で一部のNGOはそれをグリーンウォッシングであると主張する。こうした情報をどう判断すればよいのだろうか。〉

〈熱帯林ガバナンスを支える仕組みの整備によって熱帯林保全はたしかに進んだ一方で,草の根アクターの権利擁護は必ずしも進んだとは言えず,その実態が覆い隠されてしまっている現状が浮き彫りになった。これが,『誰のための熱帯林保全か』という書名に込められた意味であろう。〉

〈インドネシアの各地で目にはするものの,外側からはうかがいしれないアブラヤシ農園や産業造林地の内情が描かれていて,とても興味深い内容であると思う。……各章・各コラムは相互に深く関係しているものの,どこから読み始めても理解できる構成になっている。一度手に取ってみることをおすすめしたい。〉