縄文はいつから!? 〔増補〕

歴博フォーラム

縄文はいつから!? 〔増補〕

地球環境の変動と縄文文化

  • 小林 謙一/編
  • 工藤 雄一郎/編
  • 国立歴史民俗博物館/編
  • A5判
  • 260頁
  • 2400円+税
  • ISBN 978-4-7877-1213-4
  • 2012発行
  • [ 在庫あり ]
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紹介文

1万5000年前に、何がおこったのか?
10万年に一度の気候大変動のなかで、人びとは土器を発明し、弓矢をもち、定住をはじめた。旧石器時代から縄文時代への移行はいつなのか。
今につづく生活様式の基盤となった縄文文化のはじまりを、さまざまな分野から問う。 土器出現のなぞとその時代を、炭素14年代測定法から追究した論考を増補。

目次

フォーラムの開催にあたって  小林謙一

1 縄文時代のはじまり
弓矢のはじまり  小畑弘己
土器のはじまり  宮尾 亨
定住化のはじまり  小林謙一

2 地球環境の変動と縄文文化のかかわり
縄文時代のはじまりのころの気候変化と文化変化  工藤雄一郎
植物相からみた縄文時代のはじまり  鈴木三男
地形の変遷からみた遺跡立地  橋本真紀夫


3 縄文時代草創期の遺跡と生活
東北地方の縄文時代草創期の様相  酒井宗孝
関東南西部の縄文時代草創期の様相  安藤広道

4 討 論─―縄文時代のはじまりをどうとらえるか

おわりに─炭素14年代測定および古環境研究の進展と「縄文はいつから!?」  工藤雄一郎

追補 土器はいつから?─―土器出現とその年代
日本列島における出現期の土器の様相  小林謙一
列島最古段階の土器の年代は決まったのか?─―炭素14年代とその較正年代  工藤雄一郎

【著者紹介】
小畑弘己(おばた ひろき)
専門分野 東北アジア先史学。現在、熊本大学文学部教授
宮尾 亨(みやお とおる)
専門分野 考古学。現在、新潟県立歴史博物館専門研究員
小林謙一(こばやし けんいち)
専門分野 日本先史考古学(縄紋土器・集落研究)。現在、中央大学文学部准教授(日本史学専攻)
工藤雄一郎(くどう ゆういちろう)
専門分野 先史考古学、第四紀学、年代学。現在、国立歴史民俗博物館研究部助教
鈴木三男(すずき みつお)
専門分野 主な研究テーマは植物の構造とそれが果たす機能を進化の観点からの解析。現生植物を中心に植物形態学、植物解剖学をおこない、その手法を植物化石に用いて、古植物学、古植生学、考古植物学にも関与。東北大学名誉教授
橋本真紀夫(はしもと まきお)
専門分野 考古学。とくに自然科学を応用した遺跡の解析研究。現在、パリノ・サーヴェイ株式会社調査研究部長
酒井宗孝(さかい むねたか)
専門分野 古代東北史。現在、花巻市博物館上席副主幹(学芸調査員)
安藤広道(あんどう ひろみち)
専門分野 日本考古学。現在、慶應義塾大学文学部教授
坂本 稔(さかもと みのる)
専門分野 文化財科学。現在、国立歴史民俗博物館研究部准教授

著者紹介

小林 謙一(コバヤシ・ケンイチ)

1960年、神奈川県生まれ。慶應義塾大学大学院民族学考古学専攻、総合研究大学院大学博士課程・国立歴史民俗博物館などをへて、現在、中央大学文学部教授。博士(文学)。
専門分野 日本先史考古学(縄紋土器・集落研究)。
主要著書・論文 シリーズ「遺跡を学ぶ」100『縄紋文化のはじまり 上黒岩岩陰遺跡』(新泉社)、『歴博フォーラム 縄文はいつから!?─地球環境の変動と縄文文化─』(共編、新泉社)、『縄紋社会研究の新視点』(六一書房)、『縄文研究の新地平─勝坂から曽利へ─』(編共著、六一書房)、『縄文時代のはじまり』(編著、六一書房)、「縄紋時代前半期の実年代」『国立歴史民俗博物館研究報告』137集ほか。

工藤 雄一郎(クドウ・ユウイチロウ)

1976年千葉県生まれ。青山学院大学文学部史学科卒業後、東京都立大学大学院博士課程修了。博士(史学)。名古屋大学年代測定総合研究センター研究機関研究員、国立歴史民俗博物館研究部考古研究系助教を経て、現在、国立歴史民俗博物館研究部考古研究系准教授。専門は先史考古学、第四紀学。主な著書・編著に『旧石器・縄文時代の環境文化史─高精度放射性炭素年代測定と考古学─』(単著、新泉社、二〇一二年)、『ここまでわかった!縄文人の植物利用』(編著、新泉社、二〇一四年)などがある。

国立歴史民俗博物館(コクリツレキシミンゾクハクブツカン)

千葉県佐倉市城内町にある、大学共同利用機関法人人間文化研究機構が運営する博物館。日本の考古学、歴史、民俗について総合的に研究・展示する博物館である。通称、歴博(れきはく)。佐倉城趾の一角にある。